雨をあびるアジサイ


「……あなたから離れようと何度も思った。あの話を聞いて、あの火事が原因でこんな辛い想いをしているのを知って。運命のいたずらのひどさに苦しんで……」


「…………」


「でも、それでも離れることが出来なかった。そのときにはもう――」


すうっと息を吸ってから、美里は叫んだ。





「もう、愛してしまっていたから……!!」
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