雨をあびるアジサイ


テレビの砂嵐に似た雨音だけがかすかに耳に届く、異世界にいるような時間。


このまま何もかも忘れて、時間がもどればいいのに……。


なんてことを考えながら、実際どれくらいもどればいいのかもわからずにいた。




望んでいるのは、亜紀が生きているときか――?


それとも、あの日に美里から声をかけられる前か――?




そもそも、ぼくは何を望んでいるのだろう。
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