雨をあびるアジサイ


「何?いらないならいいよ。自然に還してあげるから」


ぼくが取り上げようとすると、


「誰がいらないって?もらうに決まってるでしょう」


美里は花束を引っこめる。


「だいたい、自然になんて還せないわよ」


とかなんとかぶつぶついいながら、しかし顔はうれしそうな笑顔でニヤニヤしていた。
< 23 / 200 >

この作品をシェア

pagetop