雨をあびるアジサイ


40分後。


消火活動のおかげで、なんとかそれ以上の延焼は食い止められたが、結局2軒が丸ごと灰になってしまった。



「亜紀、亜紀ぃー!」



喉がつぶれるかと思うくらい叫んでも、すでに鎮火して黒ずんだ景色を遠巻きにながめ騒ぐ野次馬たちの声にかきけされた。



「亜紀……亜紀」
< 33 / 200 >

この作品をシェア

pagetop