雨をあびるアジサイ


「亜紀、なあ亜紀……!?」


どうして真っ黒なんだよ。


お前、色白だったじゃないか――!!



「亜紀ーっ!!」



すがりついて絶叫するも、返事はない。




「ああああああぁー!!」




いつも香っていたカボディーヌが鼻に届くことはなく、代わりに、すす臭い焦げた匂いが
鼻孔を刺激するだけだった――。

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