雨をあびるアジサイ


その瞬間、一陣の風が吹いて傘が揺れた。


太ももに置いていた手の甲へ、ズレた傘の先から大きい雨粒が触れる。


「…………!!」


ぼくは我に返った。



「あ!ああ、いや。なんでも……」

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