雨をあびるアジサイ


顔を上げると、見知らぬ女性が眉尻を下げていた。


「大丈夫……ですか?」


ぼくの雨をしのがせてくれるためだろうか。


彼女の右肩から腕にかけての服が濡れている。


(亜紀……)


それもまた、彼女と重なった。

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