雨をあびるアジサイ


バシッと肩をたたく美里は、いつの間にかいつもの調子。


さっきの「言葉の端々」に、少し引っかかりはある。


(でも、まあいっか)


せっかくのデート。雰囲気を悪くしたって仕方がない。


ぼくは、あまり気に留めないことにした。


それからしばらく、他愛ない会話をしながら日曜日の人ごみを逆行するようにぬって、車を南へ走らせた。
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