雨をあびるアジサイ
。●4:疑惑の電話
「ふうっ。調子が狂ったな」
車に乗りこんだはいいものの、どうにも会話が途切れて、デートという雰囲気ではなくなっていた。
「ううん。そんなことないよ」
「……そっか?」
「うん。平気」
美里はそういったが、心ここにあらずのような表情。
このまま続けても、きっとデートは楽しめないだろうと思い、ぼくはハンドルを切り返して、自分のマンションへ向かうことにした。