雨をあびるアジサイ
でも、じっと頭を下げたまま、無言。
以前にもこういうことは何度かあったものの、いつもなら、
「大丈夫か?」
と言葉を投げると、我に返ってすぐに笑顔にもどり、
「ううん。なんでもない、なんでもない!」
なんて、オーバーに手を左右にふるのに。
今日は少し様子がちがって、どこか虚ろで。
心をどこかに落っことしたような様子が、いつまでも消えないままだった。
「……仕方ないな」
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