雨をあびるアジサイ


「だからそれは……長すぎてうっとうしくなって」


再び無言でうつむき、ぎゅっとつかむ手に力が入る。


「じゃあ、すみれよりバラが好きになったのは?」


「……それは……」


「砂糖なしのミルクティーになったのは?」


煮え切らない返しに、ぼくの声が熱くなる。


「…………」
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