雨をあびるアジサイ


核心を突かれたのだろう。


顔を上げる美里の表情は、明らかに関係してることを告げていた。


知られたくないことを隠すため、縛りつけた鎖の南京錠。


それを唐突に開けようとしたときのように、おびえた表情。




「やっぱ……そうなんだな」




思わず取り調べの刑事口調になっている自分に気づいて、咳をしながらコーヒーをひと口すする。
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