インサイド
「学校でも久しぶりかな、自分で曲に手をつけるのは。けどこれシロが弾くなら、やってみたくなって」

「シロ」

「白井くんの『シロ』くん。『ハルカ』ちゃんは嫌だって言うから、考えました。オレはこっちもかわいくて好きだからいいけどね」

「大変光栄なことでございます」

「うんうん。そうだろう」


 千帆は不思議な感覚を抱えて、そのやりとりを聞いていた。

遥はいつもと変わらない。

調子がずれているのは裕明の方だ。

奏と、ピアノを弾いた時のようにテンションはハイ。

 なんとなく。のびのびしてる? そんな感じ。


楽しそうだー……。
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