インサイド
 望んで質問までしているオレに、持って回った念の押し方をせずにはいられない、捻れた性格。

どこをどうしたらこんなモノになるのかと、対するこっちは首を捻らずにはいられない。

初対面の記憶は残していないのだが、その時に自分が腹を立てたことは憶えていた。

忘れられなかったらしい。あまりの腹立たしさに。

「うちのおじょーさんを、ガツガツと遠慮なしに巻き込んで下さった。どんな奴だか知っておきたいだろう、オレとしちゃ」

「『奴』ねぇ。相変わらずのお言葉ですね、アルヴァレス」

「ほっとけ」

「情報を求めている側の態度ではありませんよ。相変わらず」

「オレの態度じゃない。おまえが話すべきことを話せ」

 変わらず変わらずと喧しい。変わらなければならない問題は、オレはおまえほど抱えちゃいない。

ギルバートは首を振り、同情していますよ、とスマイルで語った。

そしてクリアな発音で話し出す。

単語一つからして丁寧に、嫌味を感じさせるのだ。
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