インサイド
「裕明の家に誰が居るか知ってますか? アルヴァレス」

「話とばすじゃないか。知るわけないだろうが」

「アメリアです。彼女ですよ」

ア。
それは名前だ。

「僕は幸運だ。運命に出会えた」


 そう言ったギルバートの、声の調子にも少なからず驚かされた。

そして直後、驚かすためにそんな声を出したのだろうと思っていた。

自分は驚いた顔を見せたに違いないと思い当たり、くるりと身を翻す。

だめだ。隠しようもなく動揺していた。


 オレの背中に余裕の笑いを向けたに決まっていて、そんなことを見なくてもわかる自分にさらに腹を立てる。

基本的に、あいつとはこの世の果てまで合わないんだッつの。


 家にはアメリア、学校ではギルバート。それはそれはさぞ素晴らしき。
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