インサイド
「ターツーさーん、ヘビ二匹で済むなんて、まさかそんなん本気じゃないよね。オケ半分使いものにならなくなるくらいの被害でるって。だいたい始めっからただそこに座ってりゃー落ち着いた会合になってたはずなんだから。いたずらに騒ぎを起こすのやめましょーよ、三年生」

「何様だよ、オレは」

「お星様。僕らの北極星だったよね、確か。コンダクターっしょ」


 ピアノの蓋を似合わない丁寧さで音を立てずに閉じ、麻生は手を広げて突き出した。

渋々あからさまに裕明は、ポケットから取り出したモノを載せる。


銀の鍵だった。
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