インサイド
そんな調子だったので、千帆が四番教室のドアを開いたのは、一時のチャイムが鳴り始めるのとほぼ同時となっていた。四番とは、番号すら不吉な。
「あ、成瀬さん?」
ピアノは一台。その前に、先客の姿があった。
「はい」
あれ。
「先生は少し遅れるんだって。これが一応課題の紙。ピアノ弾いてる? 代わろうか」
……差し出された紙は一応受け取り、千帆は一歩大きく下がってドアの上に突き出した教室表示の数字を確認した。
四番。合っている。
そうだよ。確認して入ってきたんだから、違っているならファンタジーだ。
「どうしたの?」
「……私、教室を間違えたんじゃないかと思ったんだけど……、合ってるよね。一時から、小野里先生で」
「うん。合ってる。三組の成瀬千帆さんでしょ?」
「うん」
「あ、成瀬さん?」
ピアノは一台。その前に、先客の姿があった。
「はい」
あれ。
「先生は少し遅れるんだって。これが一応課題の紙。ピアノ弾いてる? 代わろうか」
……差し出された紙は一応受け取り、千帆は一歩大きく下がってドアの上に突き出した教室表示の数字を確認した。
四番。合っている。
そうだよ。確認して入ってきたんだから、違っているならファンタジーだ。
「どうしたの?」
「……私、教室を間違えたんじゃないかと思ったんだけど……、合ってるよね。一時から、小野里先生で」
「うん。合ってる。三組の成瀬千帆さんでしょ?」
「うん」