インサイド
「見つかっちゃった、おじゃましまぁす。特別レッスン? 先生待ってるとことか?」
「大丈夫だよ、小野里先生は現れないから」
「私、顔に出し過ぎてる? なんでわかるの?」
「それで小野里先生に遊ばれてる。って、わかってる?」
「えっ、うそっ」
「本当です。今やってるレッスンの中で、あの時間が一番楽しいよ。バトルだもんね、ほとんど」
「あの先生ってなんかそういう気分にさせるって言うか……。あ、そうやって遊ばれてるのか、私は」
当初考えていたような嫌さはなかったけれど、疲労困憊するレッスン時間であることでは予想が正解なのだった。
遥の言うように、ほぼバトル。
小野里先生が立場差を利用して、無理難題を吹っかけてくるために。
「くそう。見てろよ」
大人気のない。
力いっぱいきっぱり言うと、すっきりとした気分になってしまった。
遊ばれていると自覚したなら、つまり相手が遊びのつもりであると発覚したなら、報復方法は見つかるはずだ。
千帆はこんなことを、長年の経験から身に着けていた。
大人相手に挫けない。
良くも悪くも。
「大丈夫だよ、小野里先生は現れないから」
「私、顔に出し過ぎてる? なんでわかるの?」
「それで小野里先生に遊ばれてる。って、わかってる?」
「えっ、うそっ」
「本当です。今やってるレッスンの中で、あの時間が一番楽しいよ。バトルだもんね、ほとんど」
「あの先生ってなんかそういう気分にさせるって言うか……。あ、そうやって遊ばれてるのか、私は」
当初考えていたような嫌さはなかったけれど、疲労困憊するレッスン時間であることでは予想が正解なのだった。
遥の言うように、ほぼバトル。
小野里先生が立場差を利用して、無理難題を吹っかけてくるために。
「くそう。見てろよ」
大人気のない。
力いっぱいきっぱり言うと、すっきりとした気分になってしまった。
遊ばれていると自覚したなら、つまり相手が遊びのつもりであると発覚したなら、報復方法は見つかるはずだ。
千帆はこんなことを、長年の経験から身に着けていた。
大人相手に挫けない。
良くも悪くも。