佐山君とバスケ
その日の夜、私は佐山に謝ろうとメールした。


『今から会える?』


返事は、メールでなく、電話だった。


『もしもし早苗?』


やっぱりいつもより声が低い。


「あのね?佐山。今から会えない?」


『今会いたくない。』


冷たく、はっきり、そういった。


でもここで引き下がっちゃだめだ。

何でかわからないけど、ダメな気がする。


「お願い。会いたいの」


『今どこ?』


「家」


『じゃあ待ってて。迎えに行くから』


「わかった。」



通話を切るまで佐山の声は低いままだった。
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