眼帯にkiss
「いいよ。」
嫌味を言ったつもりなのにそんなの気にする事も無く、ニコリと笑った。
その後何やら楽しそうな、新しい玩具を見つけた時の様な顔をしていることに気付いた。
あたしは怪訝な目をして相手を見る。
「ふふっ…いいね。何だかゲームみたいで。楽しめそうだよ。」
にこにこ笑って言った。
そして一歩一歩こっちに近づいて来る。それに合わせて後ずさるあたし。
壁に背中が当たり、もうムリ。でも佐渡は笑ったままこっちに来る。
コツコツと音をならしていた足が止まる。
「――っ近い。」
あたしと佐渡の距離、0――。