眼帯にkiss



殴りたい衝動に駆られるが拳を握り締め、堪える。


「――粘ってね…。そうじゃないと、ゲームは面白くならないでしょ?」

耳元で低音ボイスで囁かれた。
ああ、他の女子には効果覿面なんだろうなー


でも…

「粘る?単なる“お遊び”で粘るもクソもあるか。」

ふっと笑う。

そんな事には決して動じないね

「ふふっ…まあいいよ。お互い、頑張ろうね?」

何に頑張るの?

っつかなんか話が変な方向に行ってる様な気がすんのは自分だけ?

…そういえば佐渡にあたしの名前言ったっけ?…いや、言ってないな、うん。


「キミの名前は?」

やっぱ言ってなかったっぽい


「水都。」


「下は?」


「まだ教えて上げない。」

ニヤッと笑って言うとあちらもあたしと同じように笑った。



「じゃーこれからよろしくね?ミトちゃん。」

握手を求められたけどその手をパシッと手で払う。


「あたしはよろしくされたくないね。」

男嫌いなあたしからしたら男子からよろしくと言われても即行拒否る。


「うーん堅いねー。


話は変わるけど、アレはどうするの?」


もう聞いても教えてくれないと分かったのか違う話をしだした。

「アレ?」

佐渡の言っている事がよく分からない。


「ほら、あれ。」

と言って指があたしから少し離れたとこをす。

「ああ アレね。」


指で指されている横の方を見ると、無惨なアレがあった。



「このドアどうすっかなー…ってもう買い替える以外ないんだけどね。だから放置。」


「ふーん。」


「聞いといて興味ねーんだな。」


「ははっまぁ良いじゃん。」






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