眼帯にkiss
「じゃーあたし用事あるから行くわ。」
佐渡を片手で軽く押して出口に向かう。
「うん、またね。」
そう言う佐渡に進めていた足を止めて振り向く。
「……また。」
もう二度と会いたくねーよ、という言葉が喉から出て来そうになったのを止めて呑み込む。
そして止めていた足をまた進ませる。
「ま、頑張って。」
ひらひらと手を振って後ろにいる相手に言う。
教室から出る瞬間、ぐう~~っとお腹が鳴った。
もう一度後ろを向く。
「……なあ。」
「ん?」
「食いもん持ってねえ?」