眼帯にkiss




「じゃーあたし用事あるから行くわ。」


佐渡を片手で軽く押して出口に向かう。


「うん、またね。」

そう言う佐渡に進めていた足を止めて振り向く。


「……また。」


もう二度と会いたくねーよ、という言葉が喉から出て来そうになったのを止めて呑み込む。


そして止めていた足をまた進ませる。


「ま、頑張って。」

ひらひらと手を振って後ろにいる相手に言う。




教室から出る瞬間、ぐう~~っとお腹が鳴った。

もう一度後ろを向く。

「……なあ。」


「ん?」


「食いもん持ってねえ?」






< 17 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop