眼帯にkiss
七月上旬――
「ん…」
真夏の太陽がカーテンの隙間から木漏れ日として目にチカチカと当たり、あたしは目が覚めた。
ふぁ…
小さく伸びをして、ふと気付いた。
ん?白い…天井?
…ああ、そうだ思い出した。
あたしは保健室に来ていたのか。
朝からかなりの睡魔がきていたから、少し寝ようと思っていつもは来ない保健室に来たんだっけか。
…普段は爆睡しないのにいつの間にか寝ていたみたいで、その時の記憶すらないとは…かなり疲れてんな自分。
はぁ…とため息を吐いて今が何時か調べるために頭のすぐ近くに置いてある携帯を手に取り開いた。
時刻は14時。
「わーお今昼?良く寝たなー。
…って寝過ぎた!!
飯が…
飯が食えねーじゃん!!」
と独り言とは思えない程の声量で独り言を言ってガバッと飛び起きた時、入学前に胸元まであった髪を切り、今はショートになっていて、髪が寝癖で少し跳ねている事に気付いた。
「ああ、起きましたか。」
なんて優しい声がカーテン越しに耳に入った様で入っていない。
その声を特に気にすることなく急いで携帯と並べて置いてあった眼帯を手に取り右目に着けてベッドから降り、近くにある窓を開けた。
ガラララ
そしてその窓から飛び出た。
ま、1階だから問題ないっしょ。
「あ!!ちょっ!」
という引き止める声が聞こえたが、無視。
今はそんな事より、
「めっしぃーーっ!!!」
叫びながらフルスピードで食堂へ向かった。