眼帯にkiss




「あーあー。もうパンなくなった。まだ足りねー。」

ぶつくさ言っていると


「良かったな。これで集中出来るだろ。良いか、真面目にしろよ?」

ちっと舌打ちをする。真面目に、なんて…虫酸が走る。


「…お前後から職員室来い。絶対だ。」


「うん。覚えてたら。」

行くか分からない、と遠回しに言った。


「さー授業しようではないか、先生。」

あたしは教科書とノートを開いて筆箱からシャーペンと消しゴムを取り出した。


「お前はノートに書いとけ。どうせ真っ白だろ。」


「当たり前じゃん。今開いたんだから。」

そう言いつつシャーペンを持ち、さあ書こうと思った瞬間



ボキッ



「……」


折れたよ。折れちまったよ。


他のを使うか。





ボキッ


「あーヤベー。」

もうシャーペンねえよ。


どうすっかなー。





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