愛を抱きしめて
「入ってこーい。」
先生が廊下にむかって声をかける。
男の子がはいってきた。
そう、多分さっきの男の子…。
「初めまして。河西 幸人です。よろしくお願いします。」
「やだあ!ちょーイケメン!」
「ウチ、狙おうかなぁ」
女子からの人気は目に見えていた。
「静かにしろ。えー河西は、安曇の隣な。これで朝のホームルーム終わり。」
そう言って先生はさっさと教室から出ていった。
え?!私の…隣。女子からの視線が痛い。嫌だ、嫌だ。またいじめが酷くなる予感がしたんだ。
「あんた、さっきの。」
やっぱりさっきの男の子だった。