愛を抱きしめて
ふと隣をみた。
見覚えのある顔だった。
「あんた、さっきの。」
さっきの女が座っていた。
女はずっとうつむいている。
「あんた、下の名前はなんてゆうの?」
話しかけて見た。
ふと女はいや、安曇は顔をあげかけた。
きっと、答えようとしてくれたんだろ?
"愛"
いい名前だよな…。俺が大好きな、名前…。
「あっ!河西君!安曇に話しかけたら、だめだよー!」
この言葉を合図にやじが飛び交った。