愛を抱きしめて


「これでホームルームを終わります。」




やっと終わった…。
早くこの教室を出たい。


カバンを片手に、走って立ち去ろうとしたその時だった。




「おい、まてよ。」



「ショータイムの時間ですよ?」



不気味な笑い声とともに始まった過酷ないじめ。
物を隠されたり、準備室に閉じ込められたりした。放課後が1番大嫌いな時間だ。



4時間目が終了すると、いつものようにぱしられる。
信頼していた友達にも裏切られた私にはもうなにもなかった。


「おい、安曇昼飯買ってきな」




「はい…」




冷たい視線を交わし、教室、いや地獄から出て行った。
三田さんはあの日から学校に来て居ない。先生はなんとも言わないが、噂だと転校したらしい。





「もう…。いや」



気づいたら走っていた。当てもなく廊下を駆け巡り、ついた場所は屋上だった。




「うわー!空が綺麗だなあ」



案の定、屋上には誰も居なく貸切状態だった。空が高くて全てを忘れられそうな気がした。











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