キミニアイヲ.


楓の母親の名前は紅葉(モミジ)。


東北地方出身の紅葉は、色白で人形のように整った綺麗な顔立ちをしていた。


そして、純粋な日本人にも関わらず、何故か紅葉だけ青み掛かった瞳を持って産まれてきたのである。


その美貌は周囲からの注目の的で、近所の人や学校でも紅葉のことを知らない人はいなかった。



過保護な両親のもとで箱入り娘として育った紅葉は、いつしかもっと自分の思うように生きていきたいと思い始める。


親に決められた道の上を歩くだけの人生なんて嫌だ…と。



そんな紅葉に、よくちょっかいを出してくる男の子がいた。


勉強せずに遊んでばかりいる問題児。

だが、いつも明るく元気でお人好しな性格の人気者。


それが風汰(フウタ)だった。


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