キミニアイヲ.
仕事の日はスーツ姿だけれど、普段の楓はきれいめで少しお兄系寄りという感じのファッション。


それに合いそうな黒とグレーのストールを買った。



きっと楓は何を着ても上手く着こなせるだろうから、合うか合わないかはあまり心配していないけれど……


喜んでくれるかな?

うざいって思われないかな?


そんな期待と不安が入り混じって、莉子のドキドキはなかなか治まってくれない。


誰かにプレゼントをあげることすら初めてなのに、相手が好きな人なら尚更不安が募る。



部屋に帰ってきた莉子は、テーブルの上に紙袋を置くとベッドに深く腰掛けて、自分を落ち着かせるようにふうっと息を吐いた。


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