キミニアイヲ.


雪音が出ていってからも、部屋の風景は変わらない。

冷えきったコーヒーと、身動き一つせずうずくまって考え込む莉子。



全く実感が湧かない。


自分は本当に騙されているのだろうか?


確かに楓の父や兄のことは何も知らないが、まさか暴力団だったなんて…


まだ信じられない。


信じたくない。


今まで自分に見せてきた姿は、全部偽りの姿だったのだろうか?



──そんなの…信じたくないよ…!!



雪音や瞬哉の言うことを疑ってるわけではないが、もしかしたら…という思いが捨てられないのも事実。


莉子は、とにかく楓の口から真実を聞きたいと思った。




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