キミニアイヲ.
「…楓のお父さんとお兄さん…
暴力団の組長って本当……?」


唾をごくりと飲み込んで、楓を見上げる。



「何で知って……!」



そこまで言って何かに気付いたのか、楓は莉子から目を逸らした。



「本当…なんだね……?」


莉子の声が震える。

楓からは何の反応もない。



「楓は…あたしを騙してたの…?」



莉子はすがるような目で見つめる。


──沈黙が怖い…


怖いよ……!


お願い……


『違う』って言って……!!




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