キミニアイヲ.
頭に、痛くはない衝撃が走る。


何かで殴られたような、ガーンと響く衝撃。



──あたしの……

聞き間違えじゃ…ないよね?



「ごめん……莉子」



莉子の淡い期待は、あっさりと捨て去られた。


信じていた可能性も0になってしまった。



何かが、莉子の中でガラガラと音を立てて崩れていく──



「…全部…嘘だったの…?」



肺が急に縮んでしまったような息苦しさに襲われる。


手も、足も、口も震える。


目に熱いものが込み上げてきて、楓の顔が歪んでいく。


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