キミニアイヲ.
──楓はあの時からあたしを利用しようって考えてたのかな…?


結局、楓にとっても自分はただの“道具”でしかなかったのだ。



「やっと…見付けたと思ったのに…」



ありのままの自分と向き合ってくれる人

大切にしたい人

愛の意味を教えてくれる人を


見付けたと思ったのに──…



「もう…誰も信じられない…!!」



莉子はまた溢れてくる涙を、我慢せずにぼろぼろと零した。



クリスマスのせいか、夜はいつもこうなのか、辺りに人の気配はない。


おかげで人目を気にせずおもいっきり泣くことが出来た。


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