キミニアイヲ.
後ろからグッと手を掴まれる。
「お前…梅林 莉子だな?」
同時に聞こえた、聞き覚えのない男の声。
人はいないと思っていた莉子は、心臓が止まるかと思うほど驚いた。
振り返ってその声の主を見ようとした瞬間
「──っ!!??」
莉子は背後から黒い革の手袋をされた手で口を塞がれた。
「んッ!!んーッ!!??」
「おとなしくしてろ」
もがく莉子のこめかみ辺りで、カチャッという重みのある音が聞こえる。
それを目の当たりにした瞬間、莉子の心臓は急速に縮まって息を呑んだ。
──まさか……
嘘でしょう…!?