キミニアイヲ.
──ここは…一体どこなの?
ひっそりとたたずむ会社の事務所のような建物に着くと、莉子は応接間のような部屋に連れていかれた。
窓もなく、二つの黒いソファーとローテーブルが一つ置いてあるだけの簡素な部屋。
そして、さっきからずっとドアの傍らで莉子を監視している、サングラスを掛けた男……
莉子は息苦しくて仕方なかった。
車内では終始拳銃を突き付けられながら両手を縛られて、それは今も外されることはない。
真っ暗でどこへ向かうかも分からなかった車内…
隣で構えられている凶器に、莉子は恐怖で震えが止まらなかった。