キミニアイヲ.
明るい部屋に来たことでほんの少し恐怖が和らいだ気はするが、これから何が起こるのかは全く分からない。


居心地の悪い黒いソファーに座りながら、莉子は考えていた。


拳銃を持ってるなんて…警察以外ではヤクザしか考えられない。


ということは、まさか……?



その時、ガチャッとドアが開く音がして、莉子は反射的にその方向に顔を向けた。


中に入ってきたのは、黒いスーツに身を包んだ背の高い男。


その男に向かって、莉子を監視していた男が軽く頭を下げる。



「あの娘が梅林莉子です」


「あぁ、ご苦労さん」


短い会話を交わすと、長身の男を残して他の男達は部屋を出ていった。


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