キミニアイヲ.
楓が莉子の手を引いて立ち上がると、毅は二人に背を向けて煙草を吸おうとしていた。
「…親父が言ってたよ。
『毅にも楓にも、後悔しないように生きてほしい。
俺達が家族になったのは、幸せになる為なんだから』って」
決して、憎しみ合う為に家族になったわけじゃない──。
莉子もその言葉をしっかりと噛み締めていた。
「だから俺は、これからは俺の好きなように生きるよ」
一回り小さく見える毅の背中にその言葉を投げ掛けると、紫煙をくゆらせながら
「……勝手にしろ」
と、なげやりだが悪意のない声で呟いた。
それを聞くと楓は口元を緩めながら、莉子の手を引いて静かに部屋を後にした。
「…親父が言ってたよ。
『毅にも楓にも、後悔しないように生きてほしい。
俺達が家族になったのは、幸せになる為なんだから』って」
決して、憎しみ合う為に家族になったわけじゃない──。
莉子もその言葉をしっかりと噛み締めていた。
「だから俺は、これからは俺の好きなように生きるよ」
一回り小さく見える毅の背中にその言葉を投げ掛けると、紫煙をくゆらせながら
「……勝手にしろ」
と、なげやりだが悪意のない声で呟いた。
それを聞くと楓は口元を緩めながら、莉子の手を引いて静かに部屋を後にした。