キミニアイヲ.
「本当のこと言うとさ。最初、あの橋で偶然莉子に逢った時…
『あぁ、死のうとしてる子なら利用しても構わないか』って思ったんだ」
行き交う車を見るともなく眺めながら楓が話すのを、莉子は穏やかな目で見つめる。
「でも、会って話すたびに迷いと罪悪感が生まれた。どこか自分と似ている莉子を、騙していることが苦痛になってた」
──騙していていいのか?
…仕方がない。
──愛しいんだろう?
…ただ同情してるだけだ。
──同情じゃなく、愛情だろう?
…そんなんじゃない。
──こんなに苦しくて藻掻いているじゃないか
──これ以上悲しい想いをさせたくないだろう?
──彼女を守りたいんだろう?
『あぁ、死のうとしてる子なら利用しても構わないか』って思ったんだ」
行き交う車を見るともなく眺めながら楓が話すのを、莉子は穏やかな目で見つめる。
「でも、会って話すたびに迷いと罪悪感が生まれた。どこか自分と似ている莉子を、騙していることが苦痛になってた」
──騙していていいのか?
…仕方がない。
──愛しいんだろう?
…ただ同情してるだけだ。
──同情じゃなく、愛情だろう?
…そんなんじゃない。
──こんなに苦しくて藻掻いているじゃないか
──これ以上悲しい想いをさせたくないだろう?
──彼女を守りたいんだろう?