キミニアイヲ.
心の声が次第に大きくなって、いくら否定しても消えてはくれなくて。

否定すればするほど苦しくなるばかり。



「教会で話した時、何かが吹っ切れた気がした。
莉子の手を取ったら、驚くほどラクになったんだ」



認めてしまえば


心の声こそが自分の本当の気持ちだと、受け入れてしまえば

こんなにも簡単に答えは出たのに。



「許されないことをした俺が言ったって信じられないかもしれないけど…

キミを想ってるこの気持ちだけは本物なんだ」



黄緑色の瞳が莉子を映す。

吸い込まれそうな、濁りのない綺麗な瞳から、莉子は目が離せない。



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