キミニアイヲ.
ビールを飲みながら懐かしそうに高校時代の話をする楓。

そんな彼を、莉子はふわりとした柔らかい笑顔を浮かべて見つめていた。



「…なんか嬉しい」


「何が?」


「少しずつ、楓の知らなかった部分が見えてきて」



高校時代の話もそうだが、家ではジャージ姿でいることや、意外と(?)お笑い番組をよく見てたりすることも。


全てが新鮮で、新しい楓を発見するたびに嬉しくて、ワクワクして、胸が高鳴る。


初めて来た遊園地にいるみたいだ。



ビールを飲む姿さえもセクシーだなぁ…

なんてぼんやり思っていると。



「俺は莉子の私生活はなんとなく想像出来るけどね」


“何でもお見通し”とでも言うような笑みを浮かべて、楓が言った。


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