キミニアイヲ.


莉子の隣に、大きなお腹を幸せそうに擦る女性が座っている。


莉子より年上の人がほとんどの中、自分が少し浮いているような気がしてならない。



仕事が休みの今日は、以前美和が評判がいいと言っていた産婦人科に思い切って来てみたのだった。


ここで検査を受けて、はっきりした結果を知るために。



尿検査、血圧、体重を測った後は、いよいよエコー検査が行われる。



「梅林さん、梅林莉子さんどうぞー」


「はい……」



“診察室”と書かれた扉の中から、助産師の明るい声が響く。


緊張しながら入ると、助産師の若い女性に説明を受けて、診察台のイスに座った。


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