キミニアイヲ.
それに、楓はどう思うのだろう?

喜んでくれるだろうか?


きっとそうだと信じてるけど、結婚してるわけでもないし、まだ付き合い始めて半年も経たない。


そんな時に子供が出来たって言われたら、どうするだろう……



複雑な想いをめぐらせていると、なかなか言い出せないまま時間だけが過ぎていく。


(早く言わなくちゃ…)


楓に一番初めに言わなきゃいけないって分かっているのに、何故か切り出せない。



はぁ…とため息をつきながら、夕飯の食器を洗っていると


「莉子、風呂沸いたよ」


と背中に楓の声が投げ掛けられた。



「…あ、うん!今行く」



食器を全て洗い終えた莉子の腰に、背後からするりと手が回される。


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