キミニアイヲ.
「たまには一緒に入ろうか」


「えッ!?」


「莉子のカラダ、隅々まで洗ってあげるから」


「……!!」



耳元で囁かれる甘い吐息交じりの言葉に、入浴前から顔が火照る莉子。


楓は有無を言わさず、莉子をバスルームへと引きつれていった。




ポチャン──…


二人入ってもまだ余裕があるユニットバスに、水滴が落ちる音が響く。


一緒に入るのは、実はこれが始めて。


それで少し恥ずかしいのもあって、さっきからかなり莉子の口数が少なくなっている。



それに、なんだか楓の雰囲気がいつもと違う。


冷めているような、怒っているような…

少しダークな雰囲気。


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