キミニアイヲ.
「俺も逢いたいよ」


「……楓…」



顔を上げると、表情を柔らげたいつもの楓がいた。



「俺が反対すると思ったの?」


「………」


「だったら最初から同棲なんてしないでしょ」



そう言って莉子を優しく引き寄せると、髪をそっとかきあげて唇にキスをした。


少し濡れた楓の髪の毛から頬に、首筋に、雫がゆっくり伝って落ちる。

色っぽくてセクシーで、莉子の心臓はドキドキと躍って鳴り止まない。



「俺はいつまでも“彼氏彼女”なんて生ぬるい関係、続けるつもりないから」



楓の長い指が莉子の柔らかな胸に触れ、唇は耳に移動する。


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