キミニアイヲ.
そんな話をしていると、あっという間にレストランに到着した。



「じゃあ雪音サンによろしくな」


「うん。また帰る頃にメールする」


車を降りて運転席の方へ回ると、窓越しに楓に話しかける。



「楓は休みの日なのに仕事なんて大変だけど…頑張ってね」


「…すぐ終わる用事だからたいしたことないよ」



ふっと微笑むと「じゃあまた後で」とお互いに軽く手を振って見送った。


莉子が店に入るのを見届けてから、楓はナビに登録した住所を目的地に設定した。



これから向かうのはホテルではない。


スーツを着ているから莉子は仕事だと思ってるみたいだが、今日の用事は全く別のことだ。


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