キミニアイヲ.
「今日は何の用ですか?雪音さん」


「も〜相変わらず冷たいんだからぁ」



無表情で事務的な口調で迎える莉子に続いて、明るく笑い飛ばして部屋に入る雪音(ユキネ)。

彼女もオアシスで働くデリヘル嬢の一人だ。



「コレ、昨日あたしのお客さんからもらったの!」



雪音はさっそく丸い小さなテーブルの上に箱を置いて中身を見せる。



「愛莉ケーキ好きでしょ?一緒に食べようと思ってさ」


「あ…ありがとう。じゃあコーヒー用意しますね」



莉子はキッチンへ向かった。



雪音は3ヶ月前にオアシスへきたばかりで、姉御肌タイプの27歳。


それまでも別の場所でヘルス嬢をしていたため、莉子よりもこの業界にいる年数は長い。


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