キミニアイヲ.
それから一週間。
特に何も変わったことはなく、莉子もいつも通りに仕事をしていた。
あの時以来、橋にも行っていない。
この間と同じ時間に行けば、また楓はあの場所で煙草を吸っているのだろうか……
そんなことをふと思ったりもした。
しかし別に会う理由もなく、会ったとしてもまた心中するだとか、突拍子もないことを言いだしかねない。
思いとどまらせてくれたことには感謝しているが、それほど強く逢いたいとは思わなかった。
「愛莉、明日の夜8時から指名入ってるからよろしくな」
「あ、はーい」
莉子は事務所で自分の客へお礼のメールを打ちながら、社長の声に返事をした。