キミニアイヲ.
事務所へ戻って“OASIS(オアシス)”と書かれた扉を開けると、社長と電話対応をしている女性社員が待っている。



「お疲れさま、愛莉ちゃん!」



事務所は意外と和やかな雰囲気で、戻ると明るく迎えてくれる。



「おぅ、愛莉。明日も指名入ってるけど大丈夫か?」


「?大丈夫ですけど」


「愛莉の人気はすげぇからさ。無理させちゃ悪いと思ってな」



40代後半の社長は、気が若くて面倒見がいい。


この社長の元だからこれまでこの仕事を続けてこれたんだと、彼女は思う。


…最初に会ったときは危ないオヤジかと思ったのだが。



「平気ですよ。若いんで」


「ははっ!そりゃ失礼しました、愛莉サマ。この調子でこれからもヨロシクな」


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