キミニアイヲ.
「……ね?だからあたしは存在価値なんてない、生きてても無意味な人間なんだよ」


莉子はまた自嘲気味に笑った。



「じゃあ、そのキミと今話してる俺も意味がないってことになるな」



カラン…と楓は氷だけになったグラスをテーブルに置いて言った。



「…どういうこと?」


「莉子ちゃんが無意味な人間なら、今こうやって話してるのも無意味ってことにならないか?」


──…!


楓の言葉にはっとする。



「キミがここにいるだけで俺には意味があるよ。
人の存在価値なんて、案外そんなもんじゃないの?」



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