キミニアイヲ.
雪音はうっとりした表情で、目線をふわふわと宙に浮かせて想いを馳せている。



「ついに愛莉にも恋が訪れそうな予感が…♪しかも相手は硬派な若手社長!
いいな〜憧れるわぁ〜」


「ちょ…ちょっと雪音さん!」



勝手にどんどん話が進んでいる。

しかも決して硬派ではない!と思う。



「あたしは別に恋なんてしてません」



きっぱり言い切ったものの、雪音はニヤリと笑って莉子を見据える。



「そうかなぁ〜?」


「そうです」


「だってドキドキしたんでしょ?」


「それは…あんなに綺麗な男の人は初めて見たからで…」


「また逢いたいとは思わないの?」


「………」



──逢いたい…


それが正直な気持ちだった。



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